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沸石粉剤がトコジラミに及ぼす影響

沸石粉剤がトコジラミに及ぼす影響

 近年のトコジラミ被害拡大の大きな要因に、ピレスロイド系殺虫剤に対する薬剤抵抗性をもった個体(いわゆるスーパー南京虫)の発達が指摘されています。日本ではスーパー南京虫に対して有機リン系やカーバメイト系の殺虫剤が有用とされ、防除の現場でも使用されています。しかし、それらの殺虫剤が使用できない国もあり、それらの国では様々な防除剤が使用されています。その中に珪藻土と同様の天然鉱物である沸石粉剤を使用する方法があります。下記に日本の研究所での沸石粉剤がトコジラミに及ぼす影響についての実験結果の論文の一部を抜粋させて頂きます。

 

【強制接触試験法

 直径9cmのシャーレに濾紙を敷き、内壁に登攀防止処理をしたガラスリングをのせ、その中に沸石粉剤(イカリIZ;イカ リ消毒株式 会社)を0.032g(1M2あたり約5gの散布量)を均一に散布した。 ガラスリング内にトコジラミ成虫を10個体放虫し、インキュベーター (平均室温30.0± 0.1℃,平均相対湿度 51.2± 2.1%RH,L ;D −0:24)に24時間放置した。また,沸石粉剤未処理を対照区 とした。試験終了後,実体顕微鏡下でトコジラミを観察し,死亡個体を計数した。試験は3回反復で実施した。

【結果および考察

沸石粉剤に強制接触させた個体は、腹面のみではなく、背面、脚、触角など全体に粉剤が付着し(Fig,1),24時間以内にすべて の個体が死亡した。 一方、対照区で死亡した個体は認められなかった。本試験の結果から、沸石粉剤はピレスロイド抵抗性トコジ ラミの防除に有効であると考えられる。 Doggett and Russel1 (2008) は珪藻土がトコジラミ成虫に及ぼす影響を調査し、 8g/m2 に接触させても24時間後の死亡率が40%未 満,4g/mLtでは約15%であることを報告している。さらに、Doggett and Russell(2008)は8g/M2への接触で100%の死亡率に達するまでに9日間,4g/M2では13日間を要 したことも報告している。これらの報告を踏まえると、本試験に使用した沸石粉剤は極めて高い殺虫効果が期待できる。現在、沸石粉剤によるトコジラミの半数仰天時間や半数致死量などにっいても検討を進めており,結果は別途報告する予定である。