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南京虫大量発生の兆し②

南京虫大量発生の兆し②

■ひそかに入国? 世界的な問題に“拡大”
 南京虫は実際に中国南部の広東省から江蘇省などにも多く分布する吸血性の昆虫で、成虫は体長5~8ミリ。赤褐色で胴体はやや丸く、平たい形をしているのが特徴だ。トコジラミという和名がついているが、実はカメムシの仲間に分類される。部屋の隅やベッドの裏などに潜んで繁殖する。
 「南京虫にかまれたら、悲鳴をあげるほど全身がかゆくなり、一睡もできなくなる」
 かつて中国・広州を旅行中に、南京虫の被害に遭ったという大阪府内在住の30代の男性が証言するように、南京虫は人の手足などを吸血して成長する。しかも、条件が良ければ一度の吸血で1年以上も生きられるといわれるように生命力も強い。
 一般社団法人大阪府ペストコントロール協会の曽谷久嗣副会長は「確かに南京虫は訪日外国人によって持ち込まれた可能性は否定できない。スーツケースの車輪のすき間などに潜み、そのまま滞在先のホテルなどで繁殖したケースも少なくないだろう」と話す。
 南京虫が増殖しているのは、日本だけではない。実は米国や欧州、豪州などでも世界的な広がりをみせている。
 米ニューヨーク市の集計では、2004年に537件だった南京虫に関する相談件数が、09年に1万件を突破した。この期間は、中国の名目GDPが04年の世界6位から09、10年の2位にまで飛躍した時期と一致している。
 米国では、宿泊先で南京虫の被害に遭ったとする訴訟が多発しており、ついには全米南京虫サミットが開催されるなど深刻な社会問題に。米国内の空港では、南京虫専門の探知犬が登場するまでになっている。南京虫からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が見つかったとするカナダの科学者らの報告もある。